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上昇益をとり、下落のリスクを多少回避する
コールデビット単体の場合は①相場が動かない+②下落+③ゆるやかな上昇でも損失がでる
この点、変則バタフライをセットにすると、
①および③の場合は大した違いはでないが、ある程度の下落の場合に変則バタフライの部分でプラスとなり、デビットの損失をある程度相殺、もしくはトータルプラスになる可能性もある
いずれにせよ出口戦略が重要となる
満期まで持つのは得策ではないためいつ利確をするのか損切りはどうするか
損切りに関しては、むしろ簡単である。そもそも建てて数日だとそこまで含み損は増えないし、大きく動いた場合は含み益になっているためである
逆に含み益となっていてもそれが満期まで維持される保証はない。逆に満期まで持てばさらに利益が増加する可能性もあるため、当該時点で利確してしまうのは勿体ないとも考えられるからである。
デビットにしている場合は蓋をしているため利益の上限が決まってしまっている。従って、片側に大きく動いた場合にそこから更に上昇或いは下落しても満期まで持っても大して利益が伸びない場合もあるし、逆に相場が反転してせっかくあった含み益が減少する場合もある。これを回避しようと反対側でヘッジ(ロングを買い直す)をする事が考えられるが、このときは反対側のポジが損切りされている。これを繰り返すと損切りが積みあがりついにはデビットの利益を食ってしまうことになり、結局のところ利確をしたほうが得策となる。
相場がさらに大きく動きそうなら一旦利確をしてデビットを建て直すということでもいいかもしれない。
一方は損切りであるが、相場が数日たっても動かないという場合は含み損になっている。しかし、まったく動かないという事はなく、上がって下がる、或いは下がって上がるなどして、数日たって建値付近に戻ってきたという表現が適切だろう。そうすると、一旦多少動いたほうと反対側を建て値付近に建て直す(当該ポジのみ損切りとなる)と、相場が戻って、建て直した権利行使価格に近づいてくることになる。
とは言え、どれくらいの動きで建て直すか、また立て直しを延々と繰り返すと前述のように何も利益が残らないということになりかねないなど問題がある。
SQ戦略
そこでSQを1つの時間軸として捉える戦略が考えられる。SQまでの期間でどのような騰落をたどるのかをある程度統計上のデータから想定する。上がるか下がるかの予想ではなく、上がるとしたらどれくらい、下がるとしたらどれくらいという値幅である。当然ながらブレがあるし、平均値をとったところであまり意味はないが、一定の期間でどれくらいの値幅があるのかを想定する。例えば平均以上の値幅をとったらもはやそれ以上の動きをするのは少ないといった程度の目安は得られるし、仮にそこから満期までもつほうが利益が増えるのか、それとも値幅が縮小して含み益が減少するのか、持つのがいいのか利確するのがいいのかの一つの目安とはなる。
さらにこれを推し進めると、この期間を細分化できる。1か月後に仮に10%上がるということは1か月後にいきなり10%上がるわけではない。1週ごとに2.5%あがることもあれば最初の2週で下がって、残りの2週で15%上がるかもしれない。1SQを1週ごとに考えれば1週で2%程度の騰落があればそこで利益になっていれば決済し、買い直すことでも結果的にほぼ同じリターンが得られるとも考えられるし、逆に1週で5%上がったら既に上げ幅の半分を達成しているとも考えられるし、かつ、最初の1週目でそれを達成しているならセータの減価も少ないだろうし、IVも上昇しているかもしれない。
また、変則バタフライにしろデビット両建てにしろ動けばどちらにうごくにせよプラスのリターンが得られる。損失がでるのは動かないとき(多少動いても元に戻る場合を含む)であり、このときのセータ及びベガリスクをできるだけ少なくすることがリターンの増大に寄与する。まったく相場が動かない、ということはあり得ない(あるのは値幅大きいか少ないか)が、動いたとしてもどれだけの変動でどうポジションを動かすかでその後のリターンが大きく変わってくる。
例えば2%動けば全決済し、建て直すとか、1%動いたら反対側を建て直し様子をみるとかである。
様々なバリエーションが考えられるが、もっともやってはいけないのはデルタヘッジだろう
デビット状態にない場合であっても相場が動いた場合にそれとは反対方向のオプションを買い直してデルタをフラットにする
デルタをフラットにすることはオプショントレードの常道だが、これを繰り返していても繰り返した直後に大きく動かなければ利益にはならない
デビットにせよバタフライにせよ、相場を建てた当初はほぼデルタフラットになってはいるものの、結局のところロング主体のため、デルタがどちらかにずれることによって利益があげあられるので相場がうごいてデルタをフラットにすることは矛盾したことをやっているのである。
とは言え、これまでみたように相場が一方通行で一方向に動いていくということも考えにくいので、その時点よりも利益をのばそうと考えるならば反転方向の対策を建てなければならない。
しかし対策をたてたからと言っても思い通りになるとは限らない。そもそも反転しなかったり、反転しても時間差でおこったり、幅が小さくコスト倒れになって損失が膨らむと言うことも多い。そうなると結果として決済したほうがよいという結論になる場合もある。
これはその時の相場環境、IVの高低などでも影響されるため何が最適解なのかは何とも言えない。
いずれにせよ、その時点での相場環境やIVの高低、残存期間などでどのポジを建てるか、或いは決済するかが変わってくるため一概には言えない