- 投稿 2024/08/22
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今回の趣旨
1 VXXは先物コンタンゴにより継続的、長期的に減価しつづける?
2 IG証券のボラティリティ指数は日々価格調整額の受け渡しがあるがVXXとどちらがパフォーマンスがいいのか?
1においては結論から言うと先物コンタンゴだから減価する、というのはミスリードである。
2においてはほとんど変わらない。とは言え、価格調整額の受け渡しが結局先物コンタンゴによるものであるから結果的に減価の要因はコンタンゴが影響している(笑)
IG ボラ指数
2022/01/02 20.61
2024/08/08 21.77 swap21.26
VXX
https://ipathetn.barclays/details.app;instrumentId=341408
2022/01/03 291.7
2024/08/08 63.5
VXXは併合されてしまうので真の値が分かりにくいので、1か月ごとにみていくと-118.8%になる
ボラ指数は価格そのものは5%ほど上昇しているけど価格調整金というかスワップというかサヤというか(笑)、ロングしていれば支払わされ、ショートしていれば受け取りになる。なので実質103%ほどのマイナスと考えられる。
巷でVXXが何千分の1にもなったとかVXXを売っていれば儲かる、などと言われるけど本当にそれだけの利益をあげようとするなら最初にそれ相応の金額をショートしていなければならない。なぜならVXXはどんどん価格が小さくなっていくので何度も併合を繰り返しており、その時点より過去の価格を後から見る場合は理論値で算出されているから、実際にある時点でショートしていた場合の価格よりも高い価格が表示されていることになる。実際は100ドルで1万株売っていたのに、3年経ってチャートを見たらチャート上では300ドルの時に売ったみたいになる。で、現在の価格は50ドルとか。価格が25ドルまで安くなった時に4株を1株に併合されて価格は100ドルとなり、持ち株数は2500株に減る。この時点で買い戻すと75万ドルの利益でそれは変わらないけど、これを繰り返していくと過去の価格はどんどん上昇していく。でも実際にショートした総額が増えるわけではないので追加で売らない限り長く持てば持つほど100%以上は儲からないけど、チャート上では何十分の1何百分の1になるというのがVXXの数字のマジックである。ショートの場合はその売った金額以上儲かることはない。これがミソだけどVXXのチャートを見ると何倍何十倍も儲かるという錯覚をもってしまう。
月ごとや日ごとに集計する意味
月ごとの騰落を集計すると違う率になるのは、月ごとに価格をリセットしているからで、リセットという意味は要するに毎回収益を確定して、次の回で100から始めるということを繰り返しているから。
要は毎回の収益を元本に加減せず、毎回元本100から始めているという感じである。この場合株価は正規分布にならず対数正規分布になる、という意味が分かってくる。対数正規分布になるというのは結局価格そのものがいくらの分布を描くのか?という意味であり、当たり前だけど株価がマイナスになることはないので正規分布するはずがない。価格がそのものがいくらになるか?というのは当該資産を当該期間の初めから終わりまで保有する場合に初めて意味のあるものかもしれない。
そうするとVXXのような商品をショートする場合には価格そのものがいくらになるか?というのはほとんど意味がない。いずれにしろ追加でショートしなければ100%以上のパフォーマンスは得られない。
端的に言えば、VIX先物はそもそも指数よりも高く始まり、徐々に指数にサヤ寄せしいき最終的には指数の価格まで下がって満期を迎えるからほぼ価格は下がる。
VXXは先物を対象しているので当然価格は常態的に下がるということになる。VXXは単に先物を買い続けるのではなく残存期間が30日になるように期近と期先の割合を一定に保つように日々調整されるのが特徴なのでとっつきにくいが要するにVIX先物は下がるのがデフォルトだからVXXも下がるということです。
この点先物を売却するときに価格が高くなっていれば売却益が出るはずで、コロナショックなどの時は相当利益が出たと推察されるが配当はでない設定のようです。
この点からもあくまで先物価格の上下による騰落率を前日の基準価格に乗じて価格が形成されているのが分かるので、コンタンゴだからというよりコンタンゴだと先物価格が下落しやすいからVXXは減価すると言った方が適切だと思う。