年別:2025年

オプション取引ではデルタヘッジによる収益をあげる方法がある。
この方法は端的に言えばIVが上がれば儲かる。
デルタをヘッジせず値幅、値動きによって収益をあげる方法もある。
厳密に言えばヘッジをするものでもないが、収益の源泉はIVではなくガンマの増減になる。

同じ0.3前後のデルタのコールとプットを買う
ATMからともに1000円ほど離れているとする

相場が700円上昇した場合、プットを700円分上に買い直す
このときプットは単純計算で約100円は損切りしているだろう
次に、相場が700円下がり、元に戻ったとする。このときコール側はまだ買い直さない。
次に相場が300円下がったとすると、プットはATMに到達している。
このとき、IVが変わらず、経過日数もわずかであればプットの含み益は300円前後。
一方コールは100円前後の含み損を抱えており、プットの損切り分とあわせて200円前後の含み損。
トータルで利益が出る。
他方、仮に700円上昇した後、さらに300円上昇した場合、コールはATMに到達し、含み益はやはり300円前後だろう。
一方プットは100円弱の含み損と損切り分100円前後をあわせても、トータルで利益になる。

これをもし、小刻みにデルタヘッジを常に行うとすると、IVが上昇するか、もしくは相場が一気に動かないと利益にならないのが結論である。
つまり、デルタヘッジで利益をあげる場合も調整し、フラットになったデルタ以上の相場の変動(デルタヘッジする間もなく大きく動く)があるか、IVが上昇するしか利益はあげられない。
言い換えると、IVが同一の場合で利益をあげるにはデルタヘッジしないことが条件となってしまうのだ。これがデルタヘッジのパラドクスだ。
値幅修正法では、厳密には値幅厳密に修正しない。
当初建てたポジションを基準にし、そこから上がったか下がったかを判断する。従って、一旦上昇した後下がっても、例えば500円上がった後300円下がっても当初の位置から200円上がった状態で下がっていないためコールの買い直しはしない。
言い換えると、ATMの位置が離れていく場合にのみその値幅を維持すりょうに調整する。また、当初のATMの位置までしか買い直しは行わないのが基本である。
これはデルタヘッジを適宜調整しないほうが儲けやすいという点に由来ししているので、常にこまかく調整を大なうと逆に利益が減少する可能性がある点を考慮にいれるからである。従って、残存期間やIVなどによっても変わってくる。しかし、それをやりはじめると裁量と変わらなくなる点に注意がひつようである。

ボラティリティとはなんなのか

ボラティリティは一般的には変動率の大きさを測る指標のように言われている。
ボラティリティは標準偏差を年率換算などして表しているので確かに一定期間の変動を測るという見方もできるが、
標準偏差は平均からどれだけバラついているかをみるものである。また、株価の場合は株価そのものではなく株価の変動率である。
テストの点数などの場合はマイナスの点数は基本的にないが、株価などの場合はマイナスが半分程度は出現するため平均値がかなり小さくなり、ほぼ無視されている。
しかし、S&P500などの長期間に渡って上昇しているものの場合は日々の平均値はわずかにプラスであってもそれが長期にわたって蓄積されると大きく上昇する。
このとき、ボラティリティは実はなんの意味もない。仮にボラがゼロでも平均値がわずかにでもプラスなのであれば何年、何十年とたつと大きく上昇していることになる。
また、ボラティリティをあらわすときは期間計算に√が使われ、かつ正規分布表での確率が利用される。
日々の騰落率から1年後の株価を測定する場合は√250が使われるという具合であるが、もとより当該株価がピンポイントで当たるというものではなく、正規分布で言えばいくらからいくらになる確率は何パーセントであるといった具合である。
これらを元にしてオプション価格(ブラックショールズ式)は計算されているが、これはあくまで予想価格と言ってよい。そして、これはあくまで満期時点の価格予想である。
例えばボラティリティがいくらであろうが、ATM付近のオプション価格がもっとも高くなる。これは正規分布ではATMは確率50%なので当然であるが、仮に、満期時点でATMよりわずか1円上昇して終わったとしても確率的には50%程度であり別におかしくはない。しかし、オプションの価値は1円であり、1年前のATMのオプション価格は標準偏差に期間計算を加味した予想価格である。
要するにここで言う正規分布における確率というのは1回1回を切り取っても意味はなく、ある程度の回数が蓄積されて初めて意味をなすものである。
更に、常に満期まで持ち越すのでなければそもそも満期時点の価格がいくらになるのかにあまり意味はない。

正規分布のバラドクス

また、ブラックショールズ式では結局のところ標準偏差において重要な平均値は無視されている。もっともより短期でみるとほとんど騰落率の平均値に意味がないとも言えるが、そうすると騰落率の平均値からどれだけ動いたか、蓄積したかで価格が動くということになる。このときいわゆるボラティリティは直接関係はない。
1%上がって1%下がるということをずっと繰り返すとボラティリティはどんどん低くてなっていくが、株価はどんどん下がっていく。また平均値はゼロである。
長期ではともかくとして、1限月程度の期間でみるとその蓄積はわずかなものにとどまるため、やはりどれだけ平均から逸脱するかに依存する。しかし、これはボラティリティに言う平均からのバラつきではない。
平均からバラついていない場合であっても結果的に価格が大きく動く場合もある。
例えば0.3%ずっとプラスで動いた場合もどんどんボラティリティは低くなっていくが、10営業日で3%以上の上昇を記録していることになる。つまり、価格そのものの変動に必ずしもボラティリティが影響するとは言い切れないのである。
いずれにしろブラックショールズ式でのオプション価格はボラティリティ=IVが使われている。IVは1か月後の予測ボラティリティなどと言われるが、厳密には当該時点から満期時点の予測になる。
満期時点での価格がこれくらいならオプション価格はこれくらいが適当であるといった具合である。仮に自分がそう思わなかったとしても、市場で取引される価格がその価格で取引されているならその価格で取引するより仕方ない。
他方で、期中においての相場の変動に応じて利確損切り、決済を考える場合は満期時点にいくらになるかは当然関係ない。あくまでその時点でどうなのか?ということになる。勿論この時ボラティリティ=IVが極端に変動している場合もあるだろう。
しかし、ほとんどの相場環境においてはIVが一気に10も20も上がったり逆に下がったりすることはないし、いずれにしろブラックショールズでの想定ボラで取引される。
多少のIVの変動はあるのは間違いないし、時間価値分の減少もあるため、オプションロングで利益をあげるにはそれ以上のデルタの変動=ガンマの増大が見込まれなければならない。
通常のロングストラングル戦略などでは基本的に相場が大きな変動をしなければ利益が見込めない。しかし、値幅調整を行うと、その変動がより小さくても利益が見込める。
またコール買い先物売りなどのデルタヘッジ戦略では通常は相場が上下動を繰り返さないと利益はでない。仮に相場が一方通行で上昇してしまうとIVが上昇しないと利益はでない。
しかし値幅調整法では相場が上昇、或いは下落方向に一方通行でも利益がでる可能性がある。IVが上昇すれば猶更であるし、仮に多少IVが下がってもあまりその影響は受けない。

デルタをヘッジせず値幅調整でなぜ利益がでるのか

その理由として
完全にデルタをヘッジしない(動いた値幅分を調整)
調整を一定時点でやめる(買い直しが当初のATMまできたらやめる)
ATMでもっともガンマが増大するところで決済をする

この値幅調整はデルタもしくはガンマによるサヤを抜いているものだとも言える。

値幅調整ランダム法

もっとも当然の事として、まったく相場が動かなかった場合、例えば100円下がって200円上がり、100円下がって、100円下がる。200円上がって200円下がる。そして100円上がる。この場合価格は元に戻っているし、調整を小刻みに行ってもATMに到達しないし、時間価値も大きく減少するため利益がでないどころかトータル損失になっているだろう。IVも下がっているに違いない。
このような状況を考慮に入れてポジションを構築する場合、やはり直近のボラティリティや想定ボラを目安にするしかないと言える。
通常は値幅が広くなったばあいにその分買い直しをするが、上記のような場合IVがどんどん低くなっていることが予想される。このような場合は想定値幅も小さくなっていることが予想される。
ATM付近に到達することにより決済し、かつ、利が相対的に大きくなることを狙うので、損切り買い直しする位置を通常よりも狭めてみる。こうすることでよりATMに到達しやすくなる。
いずれにしろ、利益が確定されるのは権利行使価格にインしたとき以降が目安なのでよりインしやすい位置に建てたほうがよい。
だからと言って、ATMあたりで両建てするのも勿体ない。ガンマの増大と減少のサヤが低くなってしまうからである。とは言え、いずれにしろインする程度まで相場が動かなければならないためあまりにも離れた位置に建てるのも問題となる。
結果的に原資産の実質的な値幅がどれくらいだったのか。また、直近でのIVも当然考慮しなければならない。あまりにも高いIVだと相場が動いてもIVが下落してしまうと利が伸びない可能性が高くなる。
そしてこれは何が最適解なのかは一概に言えないし、そもそも百発百中で利益があがるものでもない。
他方で相場が動かないにせよ全く動かないということはない。要はその値幅がどれくらい動くかのである。そしてIVの上昇を狙う場合などとは違い相場が大きく動かなければ利益がでないものでもない。
一定程度の値幅、言い換えればその原資産で通常みられる程度の値幅があれば十分利益が上がる。
これは利益の源泉が要はデルタ、或いはガンマをずらすためであり、仮に値動きが大きくなくてもよい。
また日々の騰落を目安とするが、一日で大きく動かなくてもよく、蓄積されればよい。
相場が動く場合にせよ、あまり動かない場合にせよランダムに動くのであれば、その上下の確率も偏る場合もあれば半々であるかもしれない。半々であってもその値幅はまったく違うかもしれないし、一方砲に偏ってしまい値動きが一定であっても価格は累積されて大きく動いているかもしれない。
もしも株価というものがランダムではなく、一定の規則性や方向性があるのならその価格は予想できることになるし、予想できなければ儲けることはできないことになる。
むしろ、ランダムだからこそこの方法では利益があがる。

オプションは儲からない価格設定

ブラックショールズも無裁定価格理論がベースである。当然のこととしてあるオプション価格が実は利益のある価格設定だとしたらいずれにしろ市場で修正されうるものだし、元々の価格計算においては利益の出る価格が計算されているのではなく、想定される原資産の価格からオプションを割り出しエいる。
もしも、株価が正規分布しており、IVも一定でかつ、実現ボラティリティもIVと同一だと仮定するとオプションは買い続けても売り続けても儲からないし損もしないのである。
IVと実現ボラに差異があるが、長い期間で考えると、ボラの差異もある程度相殺されてくる。ある特定の期間だけを見ると大きく損していたり、逆に儲かっている期間があるかもしれないが、機械的に毎月毎月取引を続けると損益は±ゼロ近辺に収束してくる。実際は手数料やスプレッドがあるのでマイナスのほうに傾く。

終max
0.033971 5 32 0.0847 54.24%
0.067943 0 13 0.0000 22.03%
0.101914 0 5 0.0000 8.47%
0 4 0.0000 6.78%
59 5 54 0.0847 91.53%

 

終min
0.036893 33 8 55.93% 13.56%
0.073787 12 0 20.34% 0.00%
0.11068 5 0 8.47% 0.00%
1 0 1.69% 0.00%
59 51 8 86.44% 13.56%

 

 

値幅
0.035781 0 8 0.00% 13.56%
0.071562 0 30 0.00% 50.85%
0.107343 0 15 0.00% 25.42%
0 6 0.00% 10.17%
59 0 59 0.00% 100.00%

 

2021

※2020/12限入り

SQ間偏差
0.047989711 3 5 25.00% 41.67%
0.095979421 2 2 16.67% 16.67%
0.143969132 0 0 0.00% 0.00%
0 0 0.00% 0.00%
12 5 7 41.67% 58.33%

 

各限月

下落側 上昇側
-0.0299 0.0438
-0.0896 0.0726
-0.0287 0.0027
-0.0779 0.0311
-0.0104 0.0002
0.0506
0.0314
0.030770885 0.023902101
-0.2365 0.2324

 

高値※終値ベース

終値MIN
-0.038024135 6 1 54.55% 9.09%
-0.076048269 2 0 18.18% 0.00%
-0.114072404 2 0 18.18% 0.00%
0 0 0.00% 0.00%
11 10 1 90.91% 9.09%

 

安値※終値ベース

終値MAX
0.023641022 1 4 9.09% 36.36%
0.047282044 0 3 0.00% 27.27%
0.070923066 0 2 0.00% 18.18%
0 1 0.00% 9.09%
11 1 10 9.09% 90.91%

 

値幅※終値ベース

値幅
0.020585511 0 0 0.00% 0.00%
0.041171021 0 0 0.00% 0.00%
0.061756532 0 6 0.00% 54.55%
0 5 0.00% 45.45%
11 0 11 0.00% 100.00%

 

概括

プラス月マイナス月のトータルリターンがほぼプラマイゼロ
従って売っても買っても放置だと儲からない年だったと言える

ラダー取引シミュ

2月限
1/8 28139
29000C 26750P
1/14 28700
-80 27250P
1/29 27663
-120 28250C
2/2 28362
+280 28750C -100 27750P
2/5 28779
-80 28250P
2/8 29338
撤収 +500 -120

 

合計 +280

 

1月(2月限) +94000 (+32(5% 1423

 

3月限

2/12 29520
30500C 28000P
2/15 30084
-80 28500P
2/16 30467
+270 31500C -80 29000P
2/19 30017
-100 31000C
2/24 29671
-100 30500C
2/26 28966
-120 30000C +350 28000P
3/1 29663
-100 28500P
3/4 28930
3/10 29036
撤収 -100 -100

 

合計 -160

 

2月 -115500(-7(-1% -308

 

4月限

 

3/12 29717

30750C 28500P

3/18 30216

-100 29000P

3/22 29174

-130 30000 +300 28000P

3/24 28405

-100 29500C

3/26 29176

 

4/2 29854

+300 30500C -150 29000P

4/7

撤収 -100 -100

 

合計 -80

 

3月 +75000(-10(0% 4

 

5月限

4/9 29768

30750C 28500P

4/20 29100

-180 30000C

4/21 28508

-100 29500C +300 27500P

4/22 29053

-100 28000P

5/6 29331

+150 30000C -150 29000P

5/11 28608

撤収 -120 28750C +450 28250P

5/12 28147

-120 28250C

5/13 27448

撤収 -160 +600

 

合計 +570

 

4月 -124000(+5(-7.7% -2320

 

6月限

 

5/14 28084

29000C 27000P

5/25 28553

-160 27500P

5/28 29149

+300 30000C 28250P

6/8 28963

撤収 -120 -80

 

合計 -60

 

5月 -2500(-15(3.1% 874

 

7月限

 

6/11 28948

30000C 27500P

6/21 28010

-180 29000C +500 27000P

6/22 28884

-130 27750P

6/25 29066

+300 29750C  -60 28000P

7/5 28598

-120 29000C

7/8 28118

撤収 -120 -50

 

合計 +140

 

6月 -127000(-3(-2.8% 830

 

8月限

 

7/9 27940

28750C 26750P

7/12 28569

-80 27250P

7/19 27652

-100 28250C

7/20 27388

+240 26250P

7/26 27833

-100 26750P

8/11 28070

撤収 -60 -140

 

合計 -240

 

7月 -108500 (+2(+0.2%  74

 

9月限

 

8/13 27977

29000C 26500P

8/16 27523

-80 28500C

8/20 27013

-100 28000C

8/31 28089

+270 28750C 27250P -130

9/1 28451

-80 27750P

9/3 29128

+420 29500C -100 28500P

9/6 29659

+200 30000C -80 29250P

9/8 30181

+180 30250C  -120 30000P

9/9 30008

撤収 -70 +-0

 

合計 +310

 

8月 +218500 (+74(+7.2% 2031

 

10月限

 

9/10 30381

31500C 29000P

9/21 29839

-100 31000C

9/29 29544

-100 30500C

10/1 28771

-100 29250C +420 28000P

10/5 27822

-80 28000C +400 27500P

10/6 27528

-80 27750C

10/7 27678

撤収 -80 -80

 

合計 +200

 

9月 -152500 (-8(-8.9% -2703

 

11月限

 

10/8 28048

29000C 26750P

10/11 28498

-80 27250P

10/15 29068

+320 29750C -80 28000P

10/25 28600

-80 29250C

10/26 29106

-60 28250P

11/1 29647

+470 30000C -100 29000P

11/10 29106

-120 29250

11/11

撤収 +100 -60

 

合計 +310

 

10月 -21500 (-1(+4.3% +1229

 

12月限

 

11/12 29609

30750C 28000P

11/24 29302

-120 30250C

11/26 28751

-80 29750C

11/30 27821

-120 28750C +450 26750P

12/3 28029

-80 27250P

12/8 28860

撤収 +250 -120

 

合計 +180

 

11月(12月限) -141000 (-13(-2.9%( -865

 

1月限 

 

12/10 28437

29500C 27250P

12/16 29066

-80 27750P

12/20 27937

-80 29000C

12/28 29069

+350 29750C -80 28000P

1/4 29301

-80 28750P

1/6 28487

-100 28750C +370 28000P

1/11 28222

-60 28500C

1/12 28765

撤収 +280 -120

 

合計 +400

 

1月(1月限) -105000 (-5(0% 51

 

2月限 

 

1/14 28124.28

29250C 27000P

1/19 27467

-80 28750C

1/26 27011

-120 27750C +350 26250P

1/27 26170

-130 27000C +470 25500P

1/28 26717

-100 26000P

1/31 27001

+350 27750C -60 26250P

2/2 27533

-80 26750P

2/7 27248

-80 27500C -80 27000P

2/9 27579

撤収 +30 -120

 

合計 +350

 

2月 -70500(-6(-1.9% -544

 

3月限

 

2/10 27696

28500C 26500P

2/14 27079

-80 28000C

2/22 26449

-100 27250C +380 25500P

2/24 25970

-100 26750C

3/1 26844

+300 27500C -120 26000P

3/2 26393

-80 27000C

3/4 25985

-80 26500C +300 25250P

3/7 25221

-120 25500C+250 25000P

3/8 24790

-130 25000C +200 24500P

3/10 25690

撤収 +630 -150

 

合計 +900

 

3月 -58500(-15(-7.2% -2005

 

 

 

 

 

 

2020/2~3

 

3月限

 

2/14 23687

@60 24500C 22750P @150

2/18 23193

-80 -50 @70 24000C

2/25 22605

-80 -60 @110 23500C +400 +370 21500P @160

2/27 21948

-100 -80 @165 22750C

2/28 21142

-140 -75 @350 21750C +400 +700  20500P @560

3/6 20749

-140 -300 @285 21000C

3/9 19698

-140 -240 @285 20000C +650 +500 19000P @400

※765

3/11 19416

撤収 -140 -60 -150

 

合計 +570 +475

 

4月限

 

3/13 17431

18250C @800 16500P  @850

3/16 17002

-150 -100 17750C  @900

3/19 16552

-120 -400 17250C @650 +350 450 15500P なし @1300

3/24 18092

+750 +450 18750C @500 -180 -500※(+450) 17000P @350

3/25 19546

+800 +700 20250C @600 -180 -80 18500P @550

3/26 18664

-180 -400 19500C @450 +300 +450 17500P @650

4/1 18065

-150 -350 18500C @350

4/6 18576

-150 -550 18250P @280

4/7 18950

撤収 +650 +350 -150 -180

 

合計 +1590 -160

 

 

 

 

 

ふと思う。ボラティリティ=標準偏差とは平均からどれくらいバラついているか?という事を表すものだとされている。
つーことはだ、例えば平均がかりに1%の場合だろうが4%だろうが、マイナス10%だろうが、そんなことは実はどうでもよく、その平均とやらからどれだけ逸脱するかを見るもののはずである。
そうすると、オプション取引においては満期時点で毎回毎回常に平均のプラス4%の上昇をしたとしてもそれはまったく意味がないことになる。なぜなら満期時点のリターンが織り込まれた価格設定がなされているからである。要するにその平均値からどれくらい大きく逸脱するかにオプションの損益が左右されることになりはしないか。
だとすると、やはり満期時点まで待つ必要はなく、想定平均値を上回るような騰落を示した時に決済=利確することが望ましいということになりはしないだろうか。。。
とは言え、騰落には±があるのでそれを単純に合算してしまうと平均値がプラマイゼロ近辺に収束してしまう。
そこで、上昇する場合と下落する場合に分けて考える。例えば上昇する場合に限っての平均値がプラス1%だとする。そうすると、仮に1.8%の上昇をしたとするとそれは平均値を大きく逸脱していることになる。
もっとも、それを時間足単位とか1日単位の騰落で考えるとやりにくい。平均値を大きく逸脱することがそう頻繁に起こるわけではないし、起こったとしてもその前に下落していればコールを買っていたとしてかなり減価するはずで、その後2%上昇しても購入価格以下になっているかもしれないからである。
そうすると、いずれにしろ少なくとも数日はそのチャンスをうかがうためにポジションを保有する必要があり、また、必ず上下の予想が当たるわけでもないことを考慮すると、両建て状態いわゆるロンストのようなポジションを持ち、利確ポイントは数日間の上下別の平均値を逸脱した場合になりそうである。
例えば10営業日の上昇平均が3%だとすると建てた時点の原資産の価格から3%以上上昇したらコールは利確しなければならない。両建てをしている場合はプットが損切りとなり、ここでトータルプラスになるか?という話になってくる。当然ながら期間が長引けば長引くほど不利に働き、IVも下落すると不利になるためどこかで損切り、もしくは撤収する必要が出てくるかもしれない。
例えば1%上昇したが、その後3日かけてそこから3%下落し、その後翌日に1%戻すとすると、5日かけて原資産がマイナス1%となる。この場合はプット側も利確ポイントに到達せず(原資産はポジション構築時から2%しか下落していないため)、ポジションは保有したままでセータ分は確実に減価しているだろうし、IVも下落しているかもしれない。そうすると少なくともコール側はかなり減価していることが考えられる。

結論からいえば両建てにしていると3%程度の騰落では利益が出ない。時間がかかればかかるほどそうなってしまう。

上昇益をとり、下落のリスクを多少回避する
コールデビット単体の場合は①相場が動かない+②下落+③ゆるやかな上昇でも損失がでる
この点、変則バタフライをセットにすると、
①および③の場合は大した違いはでないが、ある程度の下落の場合に変則バタフライの部分でプラスとなり、デビットの損失をある程度相殺、もしくはトータルプラスになる可能性もある

通常のバタフライ

外側のロングを内側にした場合

両側に建てた場合

 

 

とは言え、単純なデビット

 

いずれにせよ出口戦略が重要となる
満期まで持つのは得策ではないためいつ利確をするのか損切りはどうするか
損切りに関しては、むしろ簡単である。そもそも建てて数日だとそこまで含み損は増えないし、大きく動いた場合は含み益になっているためである
逆に含み益となっていてもそれが満期まで維持される保証はない。逆に満期まで持てばさらに利益が増加する可能性もあるため、当該時点で利確してしまうのは勿体ないとも考えられるからである。

 

デビットにしている場合は蓋をしているため利益の上限が決まってしまっている。従って、片側に大きく動いた場合にそこから更に上昇或いは下落しても満期まで持っても大して利益が伸びない場合もあるし、逆に相場が反転してせっかくあった含み益が減少する場合もある。これを回避しようと反対側でヘッジ(ロングを買い直す)をする事が考えられるが、このときは反対側のポジが損切りされている。これを繰り返すと損切りが積みあがりついにはデビットの利益を食ってしまうことになり、結局のところ利確をしたほうが得策となる。
相場がさらに大きく動きそうなら一旦利確をしてデビットを建て直すということでもいいかもしれない。

一方は損切りであるが、相場が数日たっても動かないという場合は含み損になっている。しかし、まったく動かないという事はなく、上がって下がる、或いは下がって上がるなどして、数日たって建値付近に戻ってきたという表現が適切だろう。そうすると、一旦多少動いたほうと反対側を建て値付近に建て直す(当該ポジのみ損切りとなる)と、相場が戻って、建て直した権利行使価格に近づいてくることになる。
とは言え、どれくらいの動きで建て直すか、また立て直しを延々と繰り返すと前述のように何も利益が残らないということになりかねないなど問題がある。

SQ戦略

そこでSQを1つの時間軸として捉える戦略が考えられる。SQまでの期間でどのような騰落をたどるのかをある程度統計上のデータから想定する。上がるか下がるかの予想ではなく、上がるとしたらどれくらい、下がるとしたらどれくらいという値幅である。当然ながらブレがあるし、平均値をとったところであまり意味はないが、一定の期間でどれくらいの値幅があるのかを想定する。例えば平均以上の値幅をとったらもはやそれ以上の動きをするのは少ないといった程度の目安は得られるし、仮にそこから満期までもつほうが利益が増えるのか、それとも値幅が縮小して含み益が減少するのか、持つのがいいのか利確するのがいいのかの一つの目安とはなる。

 

さらにこれを推し進めると、この期間を細分化できる。1か月後に仮に10%上がるということは1か月後にいきなり10%上がるわけではない。1週ごとに2.5%あがることもあれば最初の2週で下がって、残りの2週で15%上がるかもしれない。1SQを1週ごとに考えれば1週で2%程度の騰落があればそこで利益になっていれば決済し、買い直すことでも結果的にほぼ同じリターンが得られるとも考えられるし、逆に1週で5%上がったら既に上げ幅の半分を達成しているとも考えられるし、かつ、最初の1週目でそれを達成しているならセータの減価も少ないだろうし、IVも上昇しているかもしれない。
また、変則バタフライにしろデビット両建てにしろ動けばどちらにうごくにせよプラスのリターンが得られる。損失がでるのは動かないとき(多少動いても元に戻る場合を含む)であり、このときのセータ及びベガリスクをできるだけ少なくすることがリターンの増大に寄与する。まったく相場が動かない、ということはあり得ない(あるのは値幅大きいか少ないか)が、動いたとしてもどれだけの変動でどうポジションを動かすかでその後のリターンが大きく変わってくる。
例えば2%動けば全決済し、建て直すとか、1%動いたら反対側を建て直し様子をみるとかである。

様々なバリエーションが考えられるが、もっともやってはいけないのはデルタヘッジだろう
デビット状態にない場合であっても相場が動いた場合にそれとは反対方向のオプションを買い直してデルタをフラットにする
デルタをフラットにすることはオプショントレードの常道だが、これを繰り返していても繰り返した直後に大きく動かなければ利益にはならない

 

デビットにせよバタフライにせよ、相場を建てた当初はほぼデルタフラットになってはいるものの、結局のところロング主体のため、デルタがどちらかにずれることによって利益があげあられるので相場がうごいてデルタをフラットにすることは矛盾したことをやっているのである。
とは言え、これまでみたように相場が一方通行で一方向に動いていくということも考えにくいので、その時点よりも利益をのばそうと考えるならば反転方向の対策を建てなければならない。
しかし対策をたてたからと言っても思い通りになるとは限らない。そもそも反転しなかったり、反転しても時間差でおこったり、幅が小さくコスト倒れになって損失が膨らむと言うことも多い。そうなると結果として決済したほうがよいという結論になる場合もある。
これはその時の相場環境、IVの高低などでも影響されるため何が最適解なのかは何とも言えない。
いずれにせよ、その時点での相場環境やIVの高低、残存期間などでどのポジを建てるか、或いは決済するかが変わってくるため一概には言えない