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ふと思う。ボラティリティ=標準偏差とは平均からどれくらいバラついているか?という事を表すものだとされている。
つーことはだ、例えば平均がかりに1%の場合だろうが4%だろうが、マイナス10%だろうが、そんなことは実はどうでもよく、その平均とやらからどれだけ逸脱するかを見るもののはずである。
そうすると、オプション取引においては満期時点で毎回毎回常に平均のプラス4%の上昇をしたとしてもそれはまったく意味がないことになる。なぜなら満期時点のリターンが織り込まれた価格設定がなされているからである。要するにその平均値からどれくらい大きく逸脱するかにオプションの損益が左右されることになりはしないか。
だとすると、やはり満期時点まで待つ必要はなく、想定平均値を上回るような騰落を示した時に決済=利確することが望ましいということになりはしないだろうか。。。
とは言え、騰落には±があるのでそれを単純に合算してしまうと平均値がプラマイゼロ近辺に収束してしまう。
そこで、上昇する場合と下落する場合に分けて考える。例えば上昇する場合に限っての平均値がプラス1%だとする。そうすると、仮に1.8%の上昇をしたとするとそれは平均値を大きく逸脱していることになる。
もっとも、それを時間足単位とか1日単位の騰落で考えるとやりにくい。平均値を大きく逸脱することがそう頻繁に起こるわけではないし、起こったとしてもその前に下落していればコールを買っていたとしてかなり減価するはずで、その後2%上昇しても購入価格以下になっているかもしれないからである。
そうすると、いずれにしろ少なくとも数日はそのチャンスをうかがうためにポジションを保有する必要があり、また、必ず上下の予想が当たるわけでもないことを考慮すると、両建て状態いわゆるロンストのようなポジションを持ち、利確ポイントは数日間の上下別の平均値を逸脱した場合になりそうである。
例えば10営業日の上昇平均が3%だとすると建てた時点の原資産の価格から3%以上上昇したらコールは利確しなければならない。両建てをしている場合はプットが損切りとなり、ここでトータルプラスになるか?という話になってくる。当然ながら期間が長引けば長引くほど不利に働き、IVも下落すると不利になるためどこかで損切り、もしくは撤収する必要が出てくるかもしれない。
例えば1%上昇したが、その後3日かけてそこから3%下落し、その後翌日に1%戻すとすると、5日かけて原資産がマイナス1%となる。この場合はプット側も利確ポイントに到達せず(原資産はポジション構築時から2%しか下落していないため)、ポジションは保有したままでセータ分は確実に減価しているだろうし、IVも下落しているかもしれない。そうすると少なくともコール側はかなり減価していることが考えられる。

結論からいえば両建てにしていると3%程度の騰落では利益が出ない。時間がかかればかかるほどそうなってしまう。

上昇益をとり、下落のリスクを多少回避する
コールデビット単体の場合は①相場が動かない+②下落+③ゆるやかな上昇でも損失がでる
この点、変則バタフライをセットにすると、
①および③の場合は大した違いはでないが、ある程度の下落の場合に変則バタフライの部分でプラスとなり、デビットの損失をある程度相殺、もしくはトータルプラスになる可能性もある

通常のバタフライ

外側のロングを内側にした場合

両側に建てた場合

 

 

とは言え、単純なデビット

 

いずれにせよ出口戦略が重要となる
満期まで持つのは得策ではないためいつ利確をするのか損切りはどうするか
損切りに関しては、むしろ簡単である。そもそも建てて数日だとそこまで含み損は増えないし、大きく動いた場合は含み益になっているためである
逆に含み益となっていてもそれが満期まで維持される保証はない。逆に満期まで持てばさらに利益が増加する可能性もあるため、当該時点で利確してしまうのは勿体ないとも考えられるからである。

 

デビットにしている場合は蓋をしているため利益の上限が決まってしまっている。従って、片側に大きく動いた場合にそこから更に上昇或いは下落しても満期まで持っても大して利益が伸びない場合もあるし、逆に相場が反転してせっかくあった含み益が減少する場合もある。これを回避しようと反対側でヘッジ(ロングを買い直す)をする事が考えられるが、このときは反対側のポジが損切りされている。これを繰り返すと損切りが積みあがりついにはデビットの利益を食ってしまうことになり、結局のところ利確をしたほうが得策となる。
相場がさらに大きく動きそうなら一旦利確をしてデビットを建て直すということでもいいかもしれない。

一方は損切りであるが、相場が数日たっても動かないという場合は含み損になっている。しかし、まったく動かないという事はなく、上がって下がる、或いは下がって上がるなどして、数日たって建値付近に戻ってきたという表現が適切だろう。そうすると、一旦多少動いたほうと反対側を建て値付近に建て直す(当該ポジのみ損切りとなる)と、相場が戻って、建て直した権利行使価格に近づいてくることになる。
とは言え、どれくらいの動きで建て直すか、また立て直しを延々と繰り返すと前述のように何も利益が残らないということになりかねないなど問題がある。

SQ戦略

そこでSQを1つの時間軸として捉える戦略が考えられる。SQまでの期間でどのような騰落をたどるのかをある程度統計上のデータから想定する。上がるか下がるかの予想ではなく、上がるとしたらどれくらい、下がるとしたらどれくらいという値幅である。当然ながらブレがあるし、平均値をとったところであまり意味はないが、一定の期間でどれくらいの値幅があるのかを想定する。例えば平均以上の値幅をとったらもはやそれ以上の動きをするのは少ないといった程度の目安は得られるし、仮にそこから満期までもつほうが利益が増えるのか、それとも値幅が縮小して含み益が減少するのか、持つのがいいのか利確するのがいいのかの一つの目安とはなる。

 

さらにこれを推し進めると、この期間を細分化できる。1か月後に仮に10%上がるということは1か月後にいきなり10%上がるわけではない。1週ごとに2.5%あがることもあれば最初の2週で下がって、残りの2週で15%上がるかもしれない。1SQを1週ごとに考えれば1週で2%程度の騰落があればそこで利益になっていれば決済し、買い直すことでも結果的にほぼ同じリターンが得られるとも考えられるし、逆に1週で5%上がったら既に上げ幅の半分を達成しているとも考えられるし、かつ、最初の1週目でそれを達成しているならセータの減価も少ないだろうし、IVも上昇しているかもしれない。
また、変則バタフライにしろデビット両建てにしろ動けばどちらにうごくにせよプラスのリターンが得られる。損失がでるのは動かないとき(多少動いても元に戻る場合を含む)であり、このときのセータ及びベガリスクをできるだけ少なくすることがリターンの増大に寄与する。まったく相場が動かない、ということはあり得ない(あるのは値幅大きいか少ないか)が、動いたとしてもどれだけの変動でどうポジションを動かすかでその後のリターンが大きく変わってくる。
例えば2%動けば全決済し、建て直すとか、1%動いたら反対側を建て直し様子をみるとかである。

様々なバリエーションが考えられるが、もっともやってはいけないのはデルタヘッジだろう
デビット状態にない場合であっても相場が動いた場合にそれとは反対方向のオプションを買い直してデルタをフラットにする
デルタをフラットにすることはオプショントレードの常道だが、これを繰り返していても繰り返した直後に大きく動かなければ利益にはならない

 

デビットにせよバタフライにせよ、相場を建てた当初はほぼデルタフラットになってはいるものの、結局のところロング主体のため、デルタがどちらかにずれることによって利益があげあられるので相場がうごいてデルタをフラットにすることは矛盾したことをやっているのである。
とは言え、これまでみたように相場が一方通行で一方向に動いていくということも考えにくいので、その時点よりも利益をのばそうと考えるならば反転方向の対策を建てなければならない。
しかし対策をたてたからと言っても思い通りになるとは限らない。そもそも反転しなかったり、反転しても時間差でおこったり、幅が小さくコスト倒れになって損失が膨らむと言うことも多い。そうなると結果として決済したほうがよいという結論になる場合もある。
これはその時の相場環境、IVの高低などでも影響されるため何が最適解なのかは何とも言えない。
いずれにせよ、その時点での相場環境やIVの高低、残存期間などでどのポジを建てるか、或いは決済するかが変わってくるため一概には言えない

デルタヘッジによる収益の不確実性に関する検証モデル

 

 

 

 


 

デルタヘッジ戦略はIVと実現ボラの差分

端的に言えば実際のボラティリティより高いIVのオプションを売却し、適切なデルタヘッジを行うとその差分が儲かるといことになる。
従って巷間よく目にする先物売りのコール買いによるデルタヘッジ戦略では本来実現ボラより低いIVのコールを買って利益をあげることになるが、一般的な説明は相場が上昇したときにヘッジで先物を売り、下がったら先物を買い戻すことで利益をあげる、などと説明されている。この考え方だとIVは特に関係なく、とにかく相場が上下してくれないと話にならないし、実際その上下の回数が多ければ多いほど利益になる、などと説明している記事も多い。しかし、この場合購入したコールは恐ろしく減価していることは想像に難くない。先物売買では利益がでても肝心のコールがクズ化していたらお話にならないがその点はスルーされていることが多い。これはデルタヘッジの本質をよく分かっていないからだろう。いや、デルタヘッジというよりはデルタヘッジで利益をあげるという意味がよく分かっていないと言ったほうがいいだろう。

 

一方でデルタヘッジで利益をあげる場合の利益の源泉はIVと実現ボラの差と言え、オプションを売却する場合のデルタヘッジ戦略では実現ボラが高くなると損失となるため必ず利益のあがる戦略ではない。
実際の取引において実現ボラティリティが正確に予測できるなら必ずしもデルタヘッジに拘る必要はないとも言える。
他方で、この戦略理論は満期まで持つという事が前提になっている。例えば残存期間20日のオプションを売却する場合にIVのほうが現実のボラより高いと想定し売却したとして適切にデルタヘッジを行っても、日経平均のSQのやり方だと、取引最終日との間にタイムラグがあるため価格がとんでしまうことがあるので適切にデルタヘッジができずに満期持ち越しになってしまう可能性が高い。従って事実上取引最終日までには決済することが現実的となる。そうすると、最終的な満期時点のボラティリティではなくなるが、あまり大差はないとも言えるが、結局のところ満期まで必ずしも持つ必要はなく、ある時点で有利な状況になればそれで決済することで利益があげられるならそこで決済してもよいはずである。
有利な状況があらわれず、満期前まで持ち越さざるを得なかったとしても結局それは同じことだし、仮に期中でかなり有利な状況になったとしても満期まで待っていたら不利な状態に陥ったということもありうる。

 

そもそも、デルタヘッジはなんのために行うかと言えば価格変動リスクをなくすためだと言われる。価格の変動リスクがなくなれば確かに損失もなくなるかもしれないが、完璧なフルヘッジだといくら価格が上昇しようが利益もないことになる。そんなものはやる意味がない。
また、オプションの場合はオプションを売却する場合と購入する場合でそのリスクを考えた時、売却する場合のほうがリスクが大きい。ここで言うリスクは確率ではなく、損失の増大という意味である。
その意味ではヘッジを行うことに意味はあるが、オプションを購入する場合にわざわざヘッジをする意味があるのかという疑問がある。
オプションを購入する場合のリスクはその購入金額に限定されているし、まだ実現されていない原資産のリターンを前もって支払うというコストを払っている。価格変動をしなければほぼ利益はでないと言ってもいい代物に敢えて本来のヘッジという意味でヘッジを入れる必要はないとも言える。

 

デルタヘッジ戦略ではIVと実現ボラの差が利益の源泉となるが、満期まで持たずに決済することを考えると必ずしもそうはならない。実際のボラティリティはむしろ関係なく、IVがどうなるかである。
また、売却した時点よりもIVが高くなったからと言って必ずしも損失になるとも言えない。
例えばコールを売却して先物を購入してデルタヘッジを行った場合、相場が下落するに伴い先物を損切りしていくことになるが、相場が下がり続けるとIVが高くなることが多い。通常はIVが高くなりコールの価格があまり下がらず、先物損切り及び含み損のほうが上回る場合が多いが、これも時間が一定程度経過している場合は十分利益になる場合もある。

 

このように考えていくと、デルタヘッジはそもそも必要なのか?という疑問が湧くのも道理である。少なくともオプションを購入する場合はヘッジの意味でのデルタヘッジは必ずしも必要ではない。
他方、オプションを売却する場合のデルタヘッジはヘッジという意味ではやる意味があるが、ヘッジという意味ならば適時にデルタヘッジを行う必要はないとも言える。
オプションを売却した場合のリスクは結局当該権利行使価格にインした場合の話であるので、インする場合に限ってデルタヘッジでリスクを回避すればいいということになるし、オプションを売却した時にプレミアム分は得ているので、その価格分インした時にデルタヘッジを行うということでも問題ないことになる。

デルタヘッジによってベガとセータとガンマが残る

別の見方をするとデルタをヘッジすると、いわゆるギリシャ指標と言われるもののうち代表的な3つが残る。
このうち既にみたようにIVの上下がデルタヘッジで重要であり、これは要するにベガがリスクとして残っているからである。オプションを売却するときはマイナスのベガであり、IVが上昇すれば当然不利となる。
この時、セータはプラスなので時間が経過すればするほど有利になるというわけである。
ガンマはマイナスなので不利となるが、このように見てくるとオプション取引というのはこれらのリスク指標の何を取って利益をあげようとするかと言い換えることができる。
デルタが相殺されてゼロであってもコールとプットをともに売却しいる場合は必ずしも価格変動リスクがないとは言えないのは、ガンマがマイナスだからである。その反面セータは大きくプラスになっているし、逆にベガは大きくマイナスだろう。