デルタヘッジだとかカバードコール
アイアンコンドルにショートストラングル
挙げればきりがないほどたくさんの戦略がある

ある個別株に投資して利益をあげようとする場合も長期ホールドしたり、あるいは短期の価格の上下を狙うなどいくつか方法がある

結論から言えば日経225も一つの商品なので長期間ホールドするならいざしらず結局のところ価格の上下をとりにいくことになる
勿論その上下の予想が当たらないから色々と戦略などということを考えているのだろう
もっともオプションの場合は価格の上下だけではなくIVの上下などもある

長期間ホールドして上昇益を狙うなら端的に下がった時に少しずつ買い増ししていくのが道理だろう
上がったら利確したとしても次に買う時に更に上がっていたらその分の上昇益はとれない

長期的にみて上昇するという読みであればオプションの場合は端的にコールを買い続けたり、或いはプットを売るという方法もある
原資産を長期ホールド例えば1年くらい持つと仮定すると、それは要するに途中で利確もしないということになる
もしくは長期ホールドした場合の想定上昇益を上回るような上昇をしたら利確するなど
損切りも同様

オプションには満期があるが、1か月を基準とすると毎月毎月ローリングしていくことになる
この場合原資産を買って長期ホールドするのとオプションを毎月ローリングしていくのと一体どっちが得なのか損なのか
あるいは変わらないのか
オプション価格が適正な価格であれば1年はともかくとして何年にもわたり同じことをやり続けると利益もなければ損失もないところに収束するはずである
逆に言えば想定外の値動きやIVの変動があると損益が乖離するということになる

機械的にまた長期間カバードコールやデルタヘッジをやり続けても損益がプラマイゼロに収束していくのが帰結だろう
これはあくまでブラックショールズによる価格付けでの話だが
例えば1年後の日経平均が20%上昇したとしてもATMのコールを漫然と買い続けていても利益にならず損失になることすらあるだろう
ポジションを建てた時よりも実際のボラが低ければ損失が出ることもある。それが帰結だ。

この時原資産とほぼ同じようなリターン20%を得るにはどうしたらいいのか?
日経平均先物1枚38000円だったとすると7600円のリターン
これをデルタ0.1分購入する場合は×100を基準としよう
ショートではロングを主体にすると先物を使うよりも資金効率がはるかによくなるし、仮に現物指数に連動するETFを購入すれば単純計算で100×38000なので380万円かかる
より少ない資金で同じリターンが得られるのなら実質的に多くのリターンを得ていることになる。それがオプションでできるならそれはオプションを使ったほうが得だ
とは言え、既にみたようにどこのコールを買っても損益はゼロに収束していく
勿論年によっては利益がでる年もあるが、ではそれを何年もやり続けて利益が蓄積されていくかというとそうではないという話である

相場の上下は分からないにせよある程度の読みでポジションを構築しなければ結局は儲からない
要は当たるかどうかというより、当たった時のリターン外れた時のマイナスリターンをどうコントロールするのか、できるのかということだ
上昇すると見込んでポジを組んだが当てが外れて下がった場合の損失が想定通りだった場合のリターンよりも多ければそのポジというか戦略はやるべきではないだろう
これは当たるかどうかの確率が半々だからと捉えるべきではない
価格が上がるか下がるかの確率はよく半々であると言われるが、ここでいう確率は絶対的な確率ではない
サイコロを振ると1が出る確率は6分の1というのは絶対的な確率であり、長期的にみればそこへ収束する
価格が上がるか下がるか長期的にみて半々だったとしてもそれが今後もそうなるとは限らない
仮に半々だったとしても結局プラスリターンよりマイナスリターンが多いなら同じことである

よくわからないときは休めなどとも言われるがこれはまさにその通りだろう
やみくもにポジションを持っても結果的に同じことなのだから別にやる必要はない
勿論やっても構わないが少なくともどういう相場なのかを想定してベットするということである
予想が当たらないから予想をしないとしても一定の見通し、これを戦略と言ってもいいかもしれないがそれに基づいてベットするのだから結局は予想をしていることになる
予想するとかしないとか当たる当たらないではなく、上昇すると仮定するとどうポジをとるのか、ボラが低いのでどういうポジをとりボラが仮に上昇したらどうするのかなどと言った具合

そこでオプションの特性などが顔をだしてくる
例えば新甫でATMのオプション価格が850円だったとする
満期3日前の相場が新甫の時と同じだったらIVがとんでもなく上昇していない限りオプション価格は300円前後まで値下がりしているはずである
この場合、新甫でATMから1000円ほど離れた300円のコールは、3日後に相場が1000円上昇しATMになると700円前後の価格をつける。400円前後の含み益だ
しかし、このオプションが満期3日前に相場が同じ価格だったらやはり300円前後になっているということである
そうすると、持ち続けるだけ無駄なことだとも考えられる。勿論もっと相場が上昇しているかもしれないが
しかし、仮に相場がじょうしょうしていても同じような700円前後の価格をつけるにはさらに500円以上の上昇を必要とし、仮に上昇していても新甫3日後の含み益を上回れないということである

このような場合、もしも当該原資産のボラがもともと高い商品なら上昇する値幅はもっとあるかもしれないから決済せずに持ち続けるのもやぶさかではないだろう
しかし、ボラが低い商品で既にσ1を超えているような上昇だったらどうするか?
というのがオプショントレードのキモと言えるかもしれない。そこが腕の見せ所だ
確率通りにはならないからと言ってこれまでの統計データを無視してもいいのかというとそうではないだろう
そもそも過去の統計データは確率ではない。データで30%の確率となったとして今後も同様に30%の確率で発生する保証はないが、30%のデータなのに60%発生するような計算で価格が形成されていたらどうだろう?

ブラックショールズ計算式によれば発生確率は正規分布がりようされている
この点につき批判もあるが、株価などは正規分布していないからというよりも各σもっと言えば各権利行使価格でリターンが同じとして考えられている点だろう
1か月後の想定リターンが1500円だとすると、ATMの価格は50%の750円となる
そして、σ1の権利行使価格のコールだと約230円前後の価格となるが、これは想定リターンの約15%だからである
言わばσ1から上に1500円上昇する確率15%で計算されていると言い換えられる
正規分布では確かにそのようになる。この時、新甫から数日でσ1まで原資産価格が到達した場合、そのときの価格計算は新甫から数日経過した部分を減じた想定リターンの半分となる
そうすると、その価格というのは新甫から考えると3000円近く上昇した価格、2σ手前あたりということである

勿論、ここで上昇がとまるのか更に上昇するのか、下落するのかは分からない。
ここから上昇する確率は正規分布で言えば50%となり、新甫から数日経過しているためリターンは1300円前後であろうか。そうすると価格は600円前後となる
仮に利確せずそのまま保有するということは上昇を期待、想定するということである。いずれにしろ上昇を想定するのなら、ここで一旦利確して、さらに上のコールに乗り換えても同じことなのか?
同じようにATMからσ1分離れたコールに乗り換えてまた数日たって相場が上昇し、当該コールがATMになったとする

続く

2023年急騰後のボラ低下 シミュレーション

新甫と満期がほぼ変わらずという相場が6か月も続いている
こんな相場はショートに限るとは言うものの、それが事前に分かるわけもない
新甫と満期は価格がほとんど動いていないのに、期間中はそれなりに動いていることが分かる。とは言え、天底が事前に分かるものでもない
そこで、インしそうになったら外を売り、反対側を上下に買い直して様子を見る戦略

5/12 29388
   5/15 29475
   6/6 32534      
6/9 32265 33250C 31000P
           32000P
   6/19 33772 +1507 10日 
      -2000
   7/12 31791
7/14 32391  33500C 31250P
   8/1 33488 +1097 18日 32500P
     -1600
   8/7 31830
8/10 32473  33500C 31250P
   8/18 31275 -1198 8日 32500C
      +2000
   9/7 33322 
9/8 32606  33500C 31250P
   9/15 33634 32500P
      -3100  32500C
   10/4 30487 -2119 26日
10/13 32315  33500C 31250P
            32500C
   10/30 30538 -1777 17日
      +2200
   11/6 32766
11/10 32568
   11/13 32499
       +1300
   11/20 33853 +1285 10日
12/8 32307
   12/14 32515
   1/11 35157
1/12 33577

6/9から12/8 32265→32307

2024 5月

5/10 38229 39500C 37000P
  40250@230S 5/20 39437  38000P -200
      -1800
 -280 38750C
40250@230S→40   5/30 37617 37000@180

いずれにせよ外側をショートして蓋をする形になるので利益が限定される。従ってやたらと買い直しをすると損するだけになる
言わばボラが低い、というより上がっては下げ、下げては上がるような相場向きとなる
相場と言うよりはその銘柄の特性と言ったほうがいいのかもしれない。例えばVIXのオプションと日経225のオプション、ある特定の現物個別銘柄のオプションは同じオプションであったとしてもボラも違うし、権利行使も違うわけで、そこにまったく同じ戦略を持ち込んでも勝てるわけがないだろう

満期にいくらになるか予想して当たるのか問題

バイナリーオプションをやって改めて気付くことがある。満期でインするのとしないのでは天と地ほどの差があるということを
特にディープインした権利行使価格を950円くらいで買っていた場合それは顕著にあらわれる。なんせこのオプションは利益はわずか50円ほど。しかしもしもアウトになってしまえば950円の損失となる
また、満期前10分頃にこの権利行使価格を行ったり来たりしている場合500円前後の値がついているはずで、ここで損切りすればその損失は500円前後で済むが、満期持ち込みしてもよくて利益は50円であり、下手をすると-950円である。しかもそれがわずか10円とか20円くらいの値動きで左右されてしまう

結論から言えば、満期持ち込みせずに利が乗ったところで利確をしていくほうがベターである
勿論、満期持ち込みすれば大きく利が増える場合もあるので一概に言い切る事はできないがロングを主体とする場合、特にアウトのオプションをロングしている場合は利が乗ったところで利確を繰り返したほうが結果的によい
なぜなら、まずオプション価格はBSの構造的に割高に価格設定されていると思われるからである。この点につき同様の意見を個人的には知らないのでこれは独自の見解であるが
いずれにせよ正規分布する仮定の下にBS式は設計されており、仮にBS式の理論通りになるとすればオプションは買い続けても売り続けても長期的にみると損益はゼロに収束していくことになる
これは原資産の騰落が正規分布してIVも想定通りだったらと仮定した場合の話であるので、現実の世界ではそうはいかないことは既に分かっている
とは言え、だからと言って現実の世界で原資産の動きやIVがどうなるのか予測することは難しい
一つ確かなことは原資産は日々変動する、ということであり、問題はその変動の幅がどうなのか?ということである
この変動をボラと言ってもいいと思うがボラが高かろうが低かろうがとにかく値動きはある
そしてその値動きはランダムウォークよろしくどうなるのかは分からない
値動きの幅が小さいときもあれば大きい時もあるだろう。長期間でみればそれが正規分布に近い結果を生むかもしれない。いや実際統計をとると似たような結果がでる
とは言え、正規分布ではない。正規分布であれば、期間のどこを切り取っても正規分布された結果となるが、日経平均に限って言えばその年ごとに大きく異なる結果となる
つまり、正規分布をもとにベットしていても儲からないということである